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第7回 差込み——規程・社内文書への書き込み方

CSIの方法(全7回)

ここまでの6回(第1回〜第6回)で、この指数の測り方と読み方はすべて開示しました。追補となる本稿は、その先にある実務の問い——毎月届く数字を、社内のどこに置くのか——に答えます。

結論から言うと、新しい様式は要りません。多くの会社が既に運用している型の「どの欄」に測定値が入るかは、ほぼ決まっています。5つです。

5つの差込み先

① リスクマップ(影響度×発生可能性)——「発生可能性」の根拠欄。 横軸の影響度は、売上構成や代替可否といった自社の数字で計算できます。埋まりにくいのは縦軸で、ここが「担当者の言葉」になりがちな欄です。物資別の水準と危険度区分は、この縦軸に外部の根拠を与えます。役割分担は明快です——影響度は社内の数字、発生可能性は外部の測定。

② TCFD等のシナリオ表——移行リスクの参照指標欄。 前提の更新が年1回だと、措置の間隔(最短2ヶ月)より前提が先に古びます。欄の設計は変えず、参照先を月次のものに差し替える——更新頻度の問題は、様式ではなく参照先の選択の問題です。

③ BCP・BCM規程——発動・解除のトリガー条項。 「上位区分への遷移で臨時レビューを招集」「下位への遷移は理由を確認した後に見直し」(第4回)。発動は書きやすく、解除は間違えやすい——下がった数字の読み方(第4回)とセットで条文化します。

④ サプライヤー評価(SAQ・鉱物調査)——優先順位の欄。 全調達先に同じ深さの調査をかける必要はありません。鎖のどの段階(原料/中間体/部材)が弱いかが分かれば、深掘りする先の順序が決まります。網羅の問題ではなく、順序の問題として扱う。

⑤ 経営会議・リスク委員会の定期点検——添付資料。 最小の導入形です。既存の会議体の添付に、月次の一覧表を一枚足す。様式変更ゼロ。月報の1枚目は、このためにそのまま転記できる形式にしています。

共通する原則——様式は変えず、欄が一つ埋まる

5つに共通するのは、導入のコストが「欄一つ」だということです。委員会の新設も、帳票の改定も不要です。逆に言えば、外部指標の導入が機能しないときの原因は、多くの場合、指標の側ではなく置き場所が決まっていないことにあります。どの欄に、誰が、毎月入れるのか——それが決まれば、残りは月次の確認三点(区分の上げ下げ/構造スコアか政策の段の高い物資/改定の有無——第6回)で回ります。

実務ガイドのご案内

本稿は差込み先の一覧まで。その先の実務——所管の決め方、規程に書ける条文の文法(書き換え例)、外部指標の選定チェックリスト、措置公告から72時間の初動手順、そのまま使える規程文例集——は、実務ガイド『重要鉱物リスクを、規程に書く』(A4・約28ページ/無料・資料請求制/社内回覧可)にまとめました。→ 資料請求: [LP URL]

結び——完備の宣言

第1回から本稿まで、この指数の方法はすべて公開しました。式の骨格、読み方、誤差の作法、検証記録、範囲の限界。毎月の測定の継続、番号付きの判断記録、そして動かなかった月を動かなかったと言い続けること——それがこの計器の中身です。

月報は毎月、貿易統計の公表から3営業日以内に発行します。動いたか、動かなかったか——どちらでも、そのまま報告します。


出所: 財務省貿易統計(e-Stat・全数データ)ほか公開情報より当研究所算出。 索引: [URL] / 月報(無料版): [URL] / ←第6回「使い方と範囲」


引用は、出所明記のうえ引用ポリシーに沿って。数値は参照後に改定されることがあります(改定は理由付きで開示)。
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