GNOMONCSI ・ Chokepoint Share Index | ケース

ケース: 2025年4月——止まったのは磁石、絞りは原料にあった

2025年4月、中国商務部は公告第18号(NdFeB磁石・中重希土の輸出管理)を公告と同時に発効させました。その後、輸出許可の遅延により、スズキの「スイフト」が約3週間、欧州の一部自動車部品工場が操業を(出所: ロイター2025年6月5日)、米フォードのシカゴ工場が1週間(出所: Bloomberg 2025年6月4日)、それぞれ停止したと報じられました。

この措置の前月——2025年3月測定点——は、どのような形だったのか。本計器の現行の定義で遡って測ります。以下は遡及測定(参考値)です: 創刊(2026年7月)前の期間を現行の定義で遡って測定した値で、正本の測定系列(今月のCSI)とは区別されます。

物資2025-03(公告前月)2025-04(公告月・即日)2025-05
ジスプロシウム・テルビウム(原料)70.6 逼迫72.9 逼迫75.5 逼迫
ネオジム・プラセオジム(原料)65.1 逼迫64.8 逼迫64.9 逼迫
ネオジム磁石(完成品)38.6 分散50.5 集中55.9 集中

止まったのは磁石ですが、絞りは原料にありました。完成品である磁石の輸入は、事件の前も後も分散したままです——焼結磁石の中国からの輸入シェアは、公告の前後を通じて33〜35%でほとんど動いていません。動いたのは、公告——法の一本でした。一方、原料のジスプロシウム・テルビウムは、公告の半年以上前から一貫して逼迫の水準にありました。

なぜ、完成品の分散は効かなかったのか。磁石の輸入元は三カ国に分かれていました。しかし本計器で遡って測ると、その上流——重希土の分離・化合物(中国87.7%)・原料合金(同64.5%)、採掘(生産統計ベース)——は高い集中にあります。加工地がどこであれ、原料の出どころが一つに集中しているなら、下流の分散は上流の集中を打ち消しません——調達先の枝分かれを増やしても、出どころが同じなら、供給の入口は増えていないからです。そして第18号は、磁石だけでなく中重希土そのものを対象にしました。分散していた完成品ではなく、集中していた上流に手がかかった——だから、下流の全部が細ったのです。

このケースが示す三つのこと

第一に、完成品の輸入が分散して見えても、工程の上流に集中があれば、供給の上限はそこで決まります。第二に、その形は事件の前から、公開統計の中に数字として存在していました——見る計器が、なかっただけです。第三に、本計器は予知をしません。既にある形を、毎月、同じ物差しで読むこと——それがこの計器の仕事です。

最新の読み値は今月のCSIに。工程ごとの測り方は方法論第2回に。毎月の測定は無料会員登録でメールでも届きます。

遡及測定の値の出所: 財務省貿易統計(e-Stat・全数データ)より当研究所算出(12ヶ月移動合計・現行定義)。生産停止の報道: ロイター(2025-06-05)・Bloomberg(2025-06-04)。

引用は、出所明記のうえ引用ポリシーに沿って。数値は参照後に改定されることがあります(改定は理由付きで開示)。